こんにちは!
山キャリトレーナーの陽山雄一郎です。
皆さんはご自身の将来について、家族から「耳が痛い」指摘をされたことはありますか?
特に親や兄弟といったごくごく身近な人たちから・・。
「あんた、なんでもええから早よ正社員で就職しいよ。」
「その資格とってご飯食べられると思ってんの?」
「30歳までには就職先固めよ!」
などなど・・・。
言われた時って頭に血がのぼったり、
どうしたらいいのか自分自身がモヤモヤしている状態で具体的な返答を求められて
無言になっちゃうことありますよね?
「悩んでいて今、答えが自分でも出ていない!なんでそれをゆっくり聞いてくれんの?」「こっちの気持ちなんも知らずに急に具体的な回答を求めるって一方的!」
「答えは自分で見つけるから、それ見つけ出すために黙って話し聞いてよ!」
進路選びや人生の分岐点に立ったときに出る家族からの「耳の痛い話」から生じる口論。
実はキャリア相談の際にご本人からも、親御さんからもよく聞くお話です。
そして、私自身もこうした経験が子の立場としてあったことから、
今回、キャリアにおける家族とのコミュニケーションを
「登山届」の機能面で例えてみました。
もくじ
家族との情報共有は登山届。最低限の共有はリスクヘッジになる。
山登りを始めるとき、必ず行うことがあります。
それは自分がどこを目指して何時までに帰ってくるのかなど、
大まかな情報を記載した登山届を提出することです。
無事戻ってきた場合、特に効果は発揮しないのですが、遭難などトラブルが起きた際には
救助の手がかりとしてとても大切なものになります。
家族との情報共有はこの登山届のようなものではないでしょうか。
何か効果を期待して話すのではなく、念のため何かがあった時用に、
あなたのキャリアのおおまかな情報を共有しておくこと。
これがキャリアに関する会話の目的と捉えるのです。
ただし、あなたにとっての「おおまかな情報」は必ず相手を満足させる情報量とは
限りません。あなたが情報を提供しても満足しない場合も当然あります。そして、そのことで摩擦が生じ、ケンカになることもあります。これは自然なことです。
では相手を満足させる情報量や納得させることが大事なのかというとそうではありません。あくまで、キャリアはあなた自身が考え、選択し、動くことが大事なのです。
そして、家族以上にあなたがあなたをどうしていくのか、自由と責任をもって、
真正面から向き合う必要があるのです。
知っておこう!会話のちょっとしたコツ
前述したように、ケンカが生じる、険悪な雰囲気になることは自然発生的に起こります。
自分の家族だから、キャリアに関することだからなどは関係なくです。
でも、できるならお互いそんな状況にはなりたくないですよね?
そこで、会話の際のちょっとしたコツを2つ書き出してみました。
普段から仕事や現状のことをポツポツと話しておく
私は仕事上、キャリアや将来のことで家族と口論になってしまう、
あるいは一方的な会話になってしまう方に普段の会話の頻度や量を聞くと、
圧倒的にコミュニケーション力が少ないことを感じます。
ただ、これが悪いというわけではありません。
私も両親との会話では口数が多い方とは言えないのですが、
実家に戻った時は普段の仕事の感想を少しだけ話すことを意識しています。
「こないだ仕事で嫌なことがあったよ」
「昨日こんなことがあって嬉しかったよ」
など、進路に直接関わることを話すのではなく、普段の何気ないボヤキや感想をポツポツとご飯でも食べながら言えばいいのです。
私がホテルマンとして働いていた頃の話です。
パワハラに耐えかねて親に「もう辞めたい」と話したとき、厳しく怒られました。
勤務期間がまだ浅かったこともあるのですが、ほぼ、その事だけを伝えたからです。
親からすると、「次のこと考えずに突然辞めるとか言って!」という感じです。
その後、辞めずに続けていたのですが、たまに帰った際には先ほどのように、
ポツポツと何気ない仕事の話をしていくうちに、親も職場の状況や
私の心境が把握できたようで、いよいよ私の心身が耐えられなくなった際、すぐにサポートをしてくれました。
このようにちょっとでもいいので普段から何気ない情報を共有しておくと、
あなたに何かトラブルが起きたとき、家族はサポートをしやすいのです。
何よりあなた自身が、トラブルに対して、次の手を打ちやすくなるのです。
人からの意見やアドバイスは「受け止める」と「受け入れる」の2段構えで聞く
論理的に、あるいは感情的に言われっぱなしで、モヤモヤしているのに言い返せず、
仕方なく、聞き入れてしまったことはありませんか?
そして、そうなりやすい自分を知っているからこそ、
進路選択に関わる相談を人にもちかけることを躊躇していませんか?
人からのアドバイスは2段構えで聞くことを意識しましょう。
まずは耳で「受け止める」のです。
どんなに耳の痛い話でも、どんなに「違うんじゃない?」と思うことも
まずは聞いてみませんか?
次に受け入れるかどうかをあなた自身が解釈し、選ぶのです。
その場ですぐに答えを出す必要はありません。
なぜなら感情的になっている時や、時間が経つとやっぱり違った答えになることも
あるからです。
相手がすぐに答えを待っているようであれば「心に留めておく」「答えられない」
とでも言っておきましょう。
「言っていることは分かる。だけどやっぱり自分はそう思わない」
であればアドバイスをくれたことに感謝しつつも自分の意思を尊重しましょう。
「耳の痛い話だった・・だけど冷静になるとその通りだ・・」であれば
次は「受け入れる」のです。
このことを知っておけば、人の意見を「答え」ではなく、「判断材料」として
聞くことができるようになりますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はあえて「つながり」や「感情」といった、こころの面ではなく、
登山届と同様、「リスクヘッジ」「サポート」といった、役割の面でコミュニケーションをとることの大切さと、そのコツをお伝えしました。
人生の分岐点に来たとき、それをサポートしてくれる存在として家族は必ずいます。
両面においてかけがえのない存在なのです。