山キャリ!好動記

山キャリ!好動記 ~選んだ進路に後悔したときには出会いあり~

先日は大阪府交野市の交野山で
山キャリ!~実践編~を3名の参加者の方々と実施しました。

目的は後日行うフィードバックセミナーの材料として使う、
キャリア形成を山登りの工程に例えるためのエピソードづくりです。

様々なエピソードの中からひとつ。
ぜひ、お伝えしたいことがありましたので
ご紹介したいと思います。

もし、今ご自身の選んだ進路に後悔されている方がいましたら
ぜひ、ご一読ください。

間違いと思ってしまった進路の先での出会い


今回、ある分かれ道で行き先とは違う道を選んでしまった
のですが、その時、間違いを指摘してくださったのが、
迷いこんだ道の先にいた1人のおばあさんでした。

山スモモを一生懸命伸びをして採ろうとしているのは
80代のおばあさんだったのですが、
とにかく元気で、おしゃべり好き。
しばらく道中を共にする時間があったのですが、
ご自身のことを色々とお話してくださいました。

毎日、交野山の山頂まで登っていること、花を眺めたり、
山スモモのような果物を食べたり、時には私たちのような山で出会った方とお話を
することが大好きなんだそうです。
さらには、彼女が60歳の定年退職後から、パソコンや外国語を習い始め、
世界中を飛び回っていて、85歳の今はSNSでバリバリと情報を発信しているとの
ことでした。
私たちが行動力と好奇心に驚かされたのは言うまでもありません。
最後まで楽しく、そして貴重な出会いを体験することができました。

エピソードから見るキャリアの考え方

実はこのエピソードにはキャリア形成の話をする際に
出てくる要素がふたつあります。
それは「出来事が」ではなくとらえ方がその感情を引き起こすとされるABC理論と
偶然の出会いを前向きに捉えるプランドハップンスタンス(計画された偶然)と
呼ばれる考え方です。

まず、参加者は分かれ道の選択を間違えるという偶然の出来事が起きました。
計画とは違う予定外の道を選んでしまうということは、一見ネガティブな
出来事のように捉えがちです。
しかし、こうした出来事そのものには良い悪いはありません。

人生には様々なことが身にふりかかります。
その出来事に対して自分のとらえ方(観念・解釈・思い込み)が加わり、
結果として感情が表れるという考え方がABC理論です。

今回の出来事に置き換えると、参加者自身が
「道を間違えた。そのおかげで素敵な人に出会えた」と捉えることもできますし、
「道を間違えた。そのせいで無駄な時間と体力を使った」と捉えることもできます。

もし、あなたがご自身のキャリアの分かれ道で、「しまった!後悔した!」と思えるような
出来事があったとき、新たな道に変更することもできるのですが、
わざわざ道を変えなくても、実はあなたのとらえ方で「よかった」と思える道に
変えることができるのです。

果たして、今回の参加者の方たちはどのようなとらえ方をされたのでしょうか。
楽しみです。

2点目はプランドハップンスタンス(計画された偶然)という考え方です。
こちらもABC理論に少し似ているのですが、先ほどの偶然の出来事への「とらえ方」を
どうしたら前向きなものにできるか、という考え方です。
これには
好奇心・持続性・柔軟性・楽観性・冒険性という5つのスキルが必要です。
詳しく知りたい方はこちら

今回参加者は3名いらしていたのですが、
岐路に来た時、結果がどうなるか分からない場合でもまずは行動を促した人、(冒険性)「なんとかなるでしょ」と楽観的に追随した人(楽観性)、
そして、道を間違えた先で出会ったおばあさんと交流している際に
新しい学びの機会を模索しようとした人(好奇心)など

それぞれが、いずれかのスキルを発揮されていました。
今回は参加者の方々は一連の流れの中で、無意識にこうした行動がとられていましたが
5つのスキルをさらに意図的にできるようになれば、日常生活の偶然の出来事をチャンスに変えていくとらえ方ができるようになるのです。

私の実体験をお話すると・・
大学新卒で入った職場は、お世辞にも良い会社ではありませんでした。
過労でうつになったこともあります。
20代を振り返ると自称2大ブラック期があったのですが、
実はその頃、東京で出会った同期は偶然にも同郷の神戸で、
お互い会社を辞めてからも交流があります。
そして、その友人の誘いでなんとなくやってみようかな(好奇心・冒険性)と
思ったのが山登りです。
そして、その山登りが今では私の活動における軸であり、
ひとつの特徴になっているので不思議なものです。
しかし、これは不思議ではなく紐解くとプランド・ハップンスタンスの
考えに当てはまっていくのです。
もし、友人の誘いに「面倒」「やったことないからいいや」
と断っていたら、その時の選択肢がひとつ減り、
今に至っていないかもしれません。

このようにキャリア形成に活かせるエピソードは今回の山登りの中でいたるところで
発見できました。
そして私自身山キャリ!の意義を垣間みたようで、
これからもぜひ、この活動を拡げていきたいと思いました。

おわりに

最後に。
山で出逢った80代の女性が発言された印象に残る言葉がありました。

「その時々に現れる分かれ道を選ぶってのはね、
ホントに大事なんだよ。人生もね。考えて選ぶんだよ」

進路の選び方に正解不正解はありません。
でも、どうせ選ぶならしっかりと自分と向き合って、
納得した方に進むことを大切にしたいですよね。