こんにちは山キャリトレーナーの陽山です。
あなたがもし「将来の目標ややりたいことは分からない。だけどもうこの会社で働くのは
嫌だ」と切羽詰まっているとしたら、何をヒントに仕事探しをされますか?
転職先を絞るため、無理矢理、あるいはとりあえず次の目標や進路を
決めようとしていませんか?
進路を決めるための理由づけとして「やりたい仕事」を決めてしまうと、
転職後、再びミスマッチが起き、「こんなはずじゃなかった」と後悔する可能性が
高くなります。
なぜなら自分自身が納得していない状態で進路を選んでいるからです。
今回は転職や独立など進路変更を考えている社会人の方が
目標やりたいことがなくても、
自分に正直な進路を選びができるようになる考え方と具体的な方法をご紹介します。
もくじ
目標ややりたいことがなくても転職はできる。
キャリア形成2パターン。
実はキャリアの築き方は2パターンに分けることができます。
これを山の楽しみ方に例えてみます。
山の楽しみ方には山の登頂を目指すタイプと山の回遊を楽しむタイプがあります。
①山の登頂を目指す「登山型」
登山型のキャリアの築き方とは、
「車メーカーで日本一の営業マンになる!」であるとか
「将来会社を起こして、後進国のためになる技術を生み出す!」
であるとか、はっきりとした将来像、目標を決めて、脇目もふらず
そこを目指すキャリアです。
②回遊を楽しむ「トレッキング型」
自分は絶対ここを目指すというような明確な目標は思い浮かべていない
(思い浮かべられない)けれど、会社の様々な部署を経験したり、
転職したりしながら、多種多様な能力・経験を身につけていくキャリアの築き方です。
この2タイプはどちらが良い悪いということでもなければ、
どちらかのタイプに固定されるものでもありません。
登山型でひとつのことに打ち込んできたけれど、しばらくは色々見聞を広げようとトレッキング型に変えることも、色々見てきた景色の中で、挑戦してみたいことができたから
登山型に変えてみようとする場合もあります。
年齢や状況・心情など、ご自身の「今」によってタイプを変えていくことがポイントで、いずれにせよ「今」を楽しむことが大事なのです。
目標ややりたいことがない人はまずは「トレッキング型」で様々な景色を
楽しみながらキャリアを積んでいくというのはいかがでしょうか?
転職の際の仕事選びの基準を増やす
さて、2パターンのキャリア形成のうち、目標ややりたいことがない場合は
「トレッキング型」で進んでいくことをおすすめしました。
様々な景色を眺めて行くためにはこれから選ぼうとする進路の選択肢の幅を拡げることが
重要です。
そのためにはキャリアの基準を違う角度から見ると良いでしょう。
なぜなら、キャリアとは仕事だけではなく、あなたの暮らし方全てのことを
指すからです。
あなたの生活を形成している時間は仕事だけではないはず。
家庭や趣味・遊びをどんな風に過ごしたいのか、ご自身の生活の要素を
全てに目を向けることでどんな生活をしたいのか、そのためにどんな仕事が最適かを
考えていくと進路の選択肢が拡がっていくのです。
新卒で入社する前は仕事に対して全て「想像」で選ばれてきたかと思います。
どんなに自己分析をしても、どんなにOG訪問をしても実際に仕事に就き、
肌で感じなければ経験からくる基準で選ぶことはできません。
言い換えると、今、あなたは社会人としての経験が備わった基準で選ぶことができ、
学生の頃よりも選択肢が多くなっているのです。
仕事で感じた「やりがいがなくてもいいのでは?」
「人間関係が良好な方がいいのでは?」「仕事が全てではないのでは?」
こうした自問自答は次の進路選びの大切な判断材料となるのです。
やりたいことがないけど転職はしたい人のための
進路選び
では最後に具体的なキャリアと仕事選びの方法を3つお伝えします。
いずれかひとつでも、組み合わせていただいても大丈夫です。
1 これからの生活のイメージを詳細に描くこと
2 自分にとっての充実感を過去や現在から知ること
3 仕事条件を「希望職種」以外で探してみる
1 これからの生活イメージを具体化する。
まずは、ご自身の理想の1日を描いてみましょう。
朝何時に起きて、どんなことをして、何時に寝るかまでをできるだけ
詳細に書き出しましょう。
これは転職決定するまでの計画を立てるためではありません。
決定後、どのような暮らし方をしたいか、「理想」を描くためです。
ちょうど、あなたがこの先の進路や転職を「決めた後」のタイミングにあたる
時期を設定してみてください。
目安としては3ヶ月後~1年後がいいのではないでしょうか。
その時、仕事がある日はどんなことをしていますか?
休みの日はどんな部屋でどんな過ごし方をしていますか?
恋人はいますか?貯金は溜まっていますか?自由に行動する時間はありますか?
できるできないは考えず、あなたが、望む生活のイメージを描いてみましょう。
その生活であなたは何に時間をかけ、充実させたいのでしょうか?
仕事?家庭?余暇?素直な気持ちで書き出してみましょう。
全てを書き出せたら、実際に充実させたい時間を過ごすために
どのような働く条件が必要でしょうか?
ハローワークや求人サイトなどに記載のされている求人票の条件項目
(福利厚生の有無、雇用形態、勤務時間、勤務形態など)を見ながら確認してみましょう。
2 自分にとっての充実感を過去や現在から知ること
前述したように、あなたは多かれ少なかれ仕事を「体験」しています。
この中にはご自身のモチベーションが上がったとき、あるいは下がったときの体験があるはずです。以下の表に○を入れて、ご自身今(あるいはこれまでの)仕事は
どんなことにモチベーションが上がっていたのか、反対にどんなことでモチベーションが
下がっていたのか確認してみましょう。
仕事のモチベーション確認シート
あなたが今の仕事、これからの仕事において
大切にしたいことが分かるはずです。
ぜひ、ご確認ください。
3 希望条件をあえて「職種」「しごと内容」以外で探してみる
私は普段、進路だけでなく、就労相談の仕事にも携わっているのですが、
「やりたい仕事」、言い換えると求人票に記載されているような「仕事内容」「職種」を
第1優先にして仕事探しをされている方が非常に多くみられます。
確かに、ご自身が心からやりたい仕事があって、希望が叶いご活躍されている場合も
あります。
しかし、中には「仕事内容」だけに目を向け、他の条件をほとんど気にしなかったため、
転職できたものの、職場環境が悪かった、給料が見合わなかったなど、
仕事内容は希望に沿っていたものの、他の条件に関する不満が大きく
辞められたケースも多々ありました。
以下は大手求人サイトに掲載されていた
退職理由のグラフです。
引用元:退職理由について|エン転職
グラフでも分かるように、20代のやりたい仕事ではなかったという退職理由は
意外と低いのです。
そして、実は入社前に調査しやすい仕事内容そのものではなく、
実際に入社してからでないと分からないこと(人間関係など)で
辞められるケースの方が多いのです。
そこで求人検索をする際のひとつのやり方として、あえて仕事内容にこだわらない探し方を
してみるのはいかがでしょうか。
具体的には求人募集の検索条件から職種以外の項目を優先的にチェックしてみるのです。
しかし、それでは検索数が非常に多くなってしまいますので、業種は選んでおきましょう。
実はこの方法、私自身が行ってきたやり方なのです。
前述のように現在、私は就労支援に携わる仕事もしているのですが、入社する際、相談員としての国家資格を持っていませんでした。
「キャリアカウンセラー」や「相談員」など希望する職種で検索しても
資格がないので当然検索に引っかからないのです。
そこで業種だけにチェックを入れ仕事内容以外の条件だけにこだわってみました。
具体的条件は以下のような感じです。
・完全に起業するまで、収入源を絶やしたくない。
(一人暮らしができる程度の最低限の収入)
・起業準備の時間確保のため、残業ができない雇用形態もしくは残業しない社風
・起業準備の時間確保のため、勤務地が30分圏内
私の場合必要だったのはプライベートの時間でした。
こうした条件で検索したところ、現在の会社で就労支援に関する企画提案をするといった
仕事募集を発見し、無事仕事に就くことができました。
入りたての頃はイベントやセミナーの企画準備をする仕事やマネージメント
しかできなかったのですが、仕事内容ではなく、職場環境や仕事内容以外の条件に
重きを置いたことで、今までで一番充実した時間を続けることができています。
そして、仕事をしやすい環境で続けられることができたため、
入社1年目には資格をとり、
キャリアカウンセラーとしても活躍できるようになったのです。
やりたい仕事があるなしに関わらず、仕事内容を中心に探すのではなく、
それ以外の違った条件に目を向けることで、
意外と自分の肌にあった仕事を見つけることもできるのです。
ぜひ、試してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
キャリアのタイプは様々な景色を楽しむ「トレッキング型」と
明確な目標に向かって進む「登山型」が存在します。
もし、トレッキング型で、目標のないキャリアの積み方をされたい場合は、
仕事だけでなく、あなたの暮らし全体に目を向け、「案外肌に合うかも・・」
という働き方を探してみましょう。
そのためには「やりたい仕事・職種」以外を条件に求人を探しみると
偶然の掘り出し物に出会う確率が高くなります。
あなたにとって正直な進路の選び方が「目標なく選ぶこと」であっても
それは間違いではありません。無理に目標ややりがいを作る必要はないのです。
ぜひ、「目標のない進路の選び方」をお試し下さい。